不特法による低未利用不動産等の再生手法、研究内容公表/日本不動産研究所他

(一財)日本不動産研究所および(一社)不動産証券化協会は、平成27年度国土交通省予算事業として進めていた「不動産証券化手法を活用した不動産再生の推進のための調査検討業務」の報告書および実務手引書を公表した。

 改正不動産特定共同事業法の一部を改正する法律により導入された特例事業(第2条第6項)スキームを活用し、老朽・低未利用不動産の耐震改修・建て替え等を進めるにあたってのスキームの特性整理や、地方における不動産証券化事業推進上の課題点等の整理、不動産証券化手法の活用・推進に係る提案と課題、今後の展望を示した。

 アセットマネジメント会社12社に対するヒアリングにもとづき、実際の活用方法紹介や他の証券化スキームと比較した特例事業スキームのメリット・デメリットなどを紹介。また、日本不動産研究所が昨年に募集し、支援を行なった不動産特定共同事業等の不動産証券化事業を実施する事業者2者へのヒアリングを通じて、事業ごとの細かいスキーム内容などを示したうえで、課題点などを洗い出し、想定される特例事業スキームの活用ケースを示した。

 報告書の内容をふまえ、特例事業スキームにおいて、主に許認可申請手続に関する実務の手引書も作成している。

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「不動産流通実務検定」、600点以上の人材に注目集まる/不動産流通推進センター調査

(公財)不動産流通推進センターは14日、2015年6月以降、3回開催している「不動産流通実務検定」の実施状況や反響について報告した。

 不動産流通業界で必要な能力を客観的に評価するための検定制度。
ネット環境のあるパソコン等で受検でき、100問を150分で解答するもの。
1,000満点で、受検後にその点数と★5つを最高としたランク付けを即時表示している。
科目は重要事項説明、取引の安全確保、価格査定など8項目。これまでの受検者数は3,000人を超える(再度受検者含む)。

 直近である第3回目(16年6月20~22日)の受検者数は1,051人で、その約8割が宅地建物取引士。
平均点数は479点、最高点数は719点。
400点以上の人のうち、400点台が338人、500点台が365人、600点台が85人、700点台が1人。
 大手不動産流通会社を中心に法人利用での活用が進んでおり、600点以上は「中途採用の際に大きな評価に値する」「社員評価につなげたい」などのコメントが寄せられているという。

 今後はさらなる認知度を高めて、中小企業での活用を促進していきたい考え。第4回目は11月に開催する予定。

不動産業従事者向けの教育支援サイト、登録者が2,000人を突破/不動産流通推進センター

(公財)不動産流通推進センターが4月にオープンした不動産流通業従事者向けの教育支援サイト「フォローアッププログラム」(https://www.retpc.jp/fup)の登録者が2,300人に達した。

 同サイトは、同センター実施の研修の紹介や不動産関連情報の提供などを通じて、不動産流通業の従事者にスキルアップの機会を提供するもの。
同センターの教育体系のプラットフォームと位置づけ、「宅建マイスター」「公認 不動産コンサルティングマスター」などの講習・制度への橋渡しを行なう役割も担っている。メールアドレスのみで誰でも登録することが可能。

 現時点では、「宅建マイスター養成講座」「不動産コンサルティング技能試験」「不動産流通実務検定」の過去問題チャレンジコーナー、同センターが開催した研修動画、不動産実務に関するQ&Aなどのコンテンツが人気を集めているという。

 今後も業界紙記者が執筆する業界動向に関する記事を掲載するなど、コンテンツを充実させていく予定。

東京圏の地価変動率、住宅・商業ともに上昇傾向/三友システムアプレイザル調査

(株)三友システムアプレイザル不動産金融研究所は15日、「三友地価インデックス 東京圏の最新地価動向」(2016年第2四半期)を発表した。

 実際の土地取引等の際に用いた鑑定評価(価格調査)の実績データを利用した地価インデックス。
類似の地価指標である地価公示や都道府県地価調査などと比べて、実勢をよりタイムリーに反映している。

 当期(16年4~6月)の東京圏全体の地価変動率は、住宅地(前年同期比2.5%プラス、前期比1.9ポイントマイナス)が横ばいも含め14期連続上昇、商業地が(同1.0%プラス、同4.3ポイントマイナス)と7期連続上昇といずれも上昇傾向。ただし全体的な地価動向は弱含み。
 東京圏内都県別では、住宅地は東京都、千葉県、埼玉県が上昇。商業地は東京都、千葉県が上昇した。
各都県内での地価の二極化により、変動幅は期ごとに大きな動きを繰り返している。
 
 地価指数(1994年第2四半期を100とした指数)は、住宅地は67.9(前期比1.8ポイントプラス)、商業地は46.8ポイント(同0.7ポイントマイナス)と、2012年以降上下を繰り返しながらも上昇傾向。
都県別では、住宅地・商業地いずれも、東京都と神奈川県が相対的に高く、埼玉県と千葉県は低い。
また、商業地は住宅地に比べてバブル崩壊後の下落幅が大きかったため、圏内全域で水準は低い結果となっている。

 東京都内のエリア別でみると、地価変動率は、都心部・南西部が上昇。地価指数は、南西部の水準が高く、都心部および都心3区で、他のエリアに比べてバブル崩壊後の下落幅が大きかったため、水準は低くなっている。

都市間競争力強化で海外成長を取り込む/不動産協会

(一社)不動産協会は15日、理事会を開催し、「成長戦略の拡大に向けた税制・都市・住宅に関する政策要望」をとりまとめた。

 税制改正については、国内における企業の立地転換を円滑に図り、成長産業のイノベーションや生産性の向上、不動産ストックのフロー化を通じた資産の有効活用の取り組み等に貢献するために、「長期保有土地等にかかる事業用資産の買換え特例の延長・拡充」の他、新規要望として「新型・大規模物流施設整備促進税制の創設」等を加えた。
 また、国家戦略特区に係る特例の拡充として、「税制の適用を観光分野に拡大」や「外国人オフィス環境の改善、外国人向け子育て施設への支援」などを、地方創生と一億総活躍を実現するまちづくりを支援する税制として、「地域観光振興に必要な宿泊施設の新設、建替え等の支援」や「オフィスに設置する認可外保育園所への支援」などを挙げた。

 都市政策としては、世界中から人材・企業・資金・情報を呼び込むとともに、その相互作用によりイノベーションを生み出し、活力の向上を図るため、ハード・ソフト両面からの取り組みが必要とし、「国家戦略特区プロジェクトのさらなる推進」や「民間都市再生事業の迅速・着実な推進」、「災害リスクの克服」などを挙げた。
また、住宅政策としては、「住宅購入者の支援措置の拡充」や「良質な住宅ストックの形成」などを盛り込んでいく。

 理事会後の記者会見において、同協会理事長の木村惠司氏は、「イギリスのEU離脱など、世界経済は不透明な状況だが、日本経済においては、デフレ脱却を確実なものするため、大都市の国際競争力強化への取り組みや、内需の柱である住宅市場が安定的に推移することが不可欠。さらに人口減少や少子・高齢化などの社会構造の変化に対応していくことも肝要である。不動産業が内部産業の中核であるということを意識して貢献していきたい」などと話した。

資産総額30兆円の実現へ制度改善・税制改正要望を決定/ARES

(一社)不動産証券化協会(ARES)は14日に第88回理事会を開催した。
 
 正会員として住商リアルティ・マネジメント(株)、賛助会員としてJAGインベストメントマネジメント(株)、スターアジア投資顧問(株)、トライフット・マネジメント(株)の入会を承認。
14日時点で正会員数110社、賛助会員179社の合計289社となった。

 また2017年度の制度改善要望と税制改正要望について決定。
制度改善については、投資法人の監督役員の欠格事由の緩和、不動産ファンド・不動産投資法人が運用財産相互間取引として不動産信託受益権の売買実施の際の規定緩和、投資法人が税会不一致による二重課税の解消手段を行使する際の任意積立金の取り扱いに係る改正を要望する。
 税制改正要望については、投資法人等が不動産を取得等する場合の登録免許税・不動産取得税の軽減措置の延長、投資法人がヘルスケア施設等を取得した際の不動産取得税の軽減措置の拡充、特定の事業資産の買い換え特例措置の延長、特例事業者に係る登録免許税・不動産取得税の軽減要件緩和、投資法人等が海外不動産に投資した際に支払う直接外国税額の控除方法等の改正について要望することとした。

 理事会後に会見した岩沙弘道会長は、「今年1~6月に、JREIT市場では14件のPOと2件のIPOが実施され、物件取得額約9,300億円、54銘柄の資産規模は14兆7,000億円を越えた。
私募リートについても17銘柄・資産規模1兆7,000億円と、順調に成長していてる。
 『日本再興戦略2016』にも、JREIT市場を30兆円へと倍増させる目標が明記されており、これはJREITや私募リートなどの資産総額を30兆円とするという当協会の中期目標とも重なる。
不動産投資市場拡大への期待はますます高まっており、当協会としても市場の拡大を通じ、日本経済の成長と各種課題解決、資産運用の高度化に協力できるよう、諸活動に取り組んでいく」と述べた。

マンション管理業者への立入検査、是正指導率がやや改善/国交省

国土交通省は15日、2015年度「マンション管理業者への全国一斉立入検査」の結果を公表した。
同省の各地方整備局および北海道開発局、内閣府沖縄総合事務所において全国135社を抽出。
15年10月以降の約3ヵ月間で事務所等への立入検査を実施した。

 「管理業務主任者の設置」、「重要事項の説明等」、「契約成立時の書面交付」、「財産の分別管理」、「管理業務の報告」の5つの重要事項を中心に検査を実施し、135社中51社に対して是正指導を行なった。
指導率は37.8%(前年度比2.5ポイント低下)となった。
是正指導率は下がったものの、管理組合財産の分別管理方法等の改正を盛り込んだ09年5月の省令改正の内容については理解不足が見られた。

 指導内容の内訳は、管理業務主任者の設置が2社(制度改正にかかる違反を除いた場合2社)、重要事項の説明等が39社(同19社)、契約成立時の書面交付が27社(同24社)、財産の分別管理が20社(同3社)、管理事務の報告が22社(同22社)となった。

 複数の事項で重複して是正指導を受けた業者が多かったことから、管理業務主任者の設置以外の事項で指導率が増加。
是正指導を行なった業者に対しては、今後引き続き法令順守への指導を行なっていく。