中小賃貸ビル事業、短期見通しは4割が楽観的

(株)ザイマックス不動産総合研究所は25日、「ビルオーナー実態調査2018」の結果を発表した。早稲田大学建築学科の小松幸夫研究室と共同で、中小規模ビルを保有するビルオーナーに対し、アンケートとヒアリングで調査したもの。3回目となる今回は、大阪市を除く全国政令指定都市(19都市)が対象。調査期間は18年6~9月、有効回答数は561社。

 賃貸ビル事業者のオーナー(経営者)の属性は、年齢は6割以上が60歳以上。全体の売上に占める賃貸ビル事業の割合は、7割以上の事業社が約4割となった。事業歴は30年以上前からが5割を占めた。ビルの保有数は1~2棟が約7割。保有するビルの規模はほとんどが3,000坪未満の中小ビルで、全体の約半数が300坪未満のビルだった。

 賃貸ビル事業での重視項目としては、「テナント要望への対応」「ビルの改修やリニューアル」「省エネ対策」等を挙げ、実際に実施した割合も高い結果に。一方、「中長期の修繕計画作成」「法改正に伴う既存不適格の改修」「耐震対策」は、重視しているものの、実施した割合は低かった。

 今後の「賃貸ビル事業」については、3年程度先の短期的な見通しは楽観派が40%で、悲観派の17%を上回る。一方、5~10年先の中長期的な見通しでは、悲観派が36%と楽観派の23%を上回った。なお、政令指定都市は、短期的な見通しを東京・大阪と比べると、悲観的にみる割合が高く、楽観派が少ない結果となった。

  今後の賃貸ビル事業での不安は、「築古に伴う修繕費の増加」「空室の増加」「賃料の下落」といった「収入・支出」に関する項目が上位を占めている。

 賃貸ビル事業に影響があると思われる社会情勢の変化については、「人口減少・就業者の減少」「働き方の変化(勤務時間・雇用形態)」「人手不足によるコストへの影響」の順で関心が高かった。

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東京オフィス、大量供給続くも低空室率維持

(一財)日本不動産研究所と三鬼商事(株)で構成する「オフィス市場動向研究会」は25日、2025年までの東京・大阪・名古屋のオフィス賃料予測(18年秋)を発表。(公社)日本経済研究センターの、「標準シナリオ」のマクロ経済予測をもとに分析した。

 東京ビジネス地区では、18年は約46万坪の大量新規供給があるが、すでにテナントが内定しているビルが多く、空室率は2.8%に低下。賃料は3.2%上昇し、賃料指数は118になると予測した。
 19年は消費増税が予定されているが影響が小さく、今年に続く大量の新規供給も、竣工前にテナントが内定する等の強い需要があるため、空室率は2.7%、賃料は2.8%上昇、賃料指数121と予測。20年は大量供給が影響し、空室率3.2%に上昇、賃料は1.5%上昇と上昇幅が縮小し、賃料指数は123となる予測。
 25年は、空室率が微増し3.4%に。賃料指数は121を見込む。

 大阪ビジネス地区では、18年は新規供給が過去平均(約6万坪)より少なく、強い需要が続くため空室率が2.9%に低下、賃料は6.0%上昇、賃料指数は114に。
 19~20年も引き続き新規供給が少なく、19年は空室率2.3%、賃料4.4%上昇、賃料指数119、20年は空室率2.3%、賃料2.5%上昇、賃料指数122となる予測。
 それ以降は22年に大阪梅田ツインタワーズ・サウス(大阪神ビル及び新阪急ビル建替計画)の供給が予定されているため空室率がやや上昇するとし、25年は空室率3.6%、賃料指数121と予測した。

 名古屋ビジネス地区は、18年は大きな新規供給の予定がなく、強い需要が続いて空室率は2.9%に低下。賃料は2.6%上昇し、賃料指数は108に。
 19年、20年も新規供給が少ない状況が続くため、19年は空室率が2.6%に低下、賃料の上昇幅は拡大し3.3%上昇となり、賃料指数は112と予測。20年は、空室率2.5%、賃料2.3%上昇、賃料指数115を見込む。
 25年は空室率が上昇し3.9%に。賃料指数は114と横ばいになる予測。

19年度民間住宅投資、着工減の影響で微減

(一財)建設経済研究所と(一財)経済調査会経済調査研究所は26日、「建設経済モデルによる建設投資の見通し」(2018年10月)を公表した。18年4~6月期の国民経済計算(四半期別GDP速報)を踏まえ、18・19年度の各投資見通しを予測したもの。

 全体の建設投資は、18年度が56兆6,700億円(前年度比1.2%増)、19年度が55兆1,500億円(同2.7%減)を見込む。

 政府建設投資については、18年度は、同年度当初予算の内容および災害復旧等に係る予備費使用の状況を踏まえ、それぞれ事業費を推計。16年度の補正予算および17年度補正予算について一部出来高の実現を想定し、22兆8,300億円(同0.9%減)と前年度と同水準にみている。19年度は、同年度予算の各府省概算要求の内容等を踏まえ、21兆4,300億円(同6.1%減)と前年度を下回る予測。

 民間住宅投資は、貸し家が着工減となるが、駆け込み需要の影響により持ち家および分譲住宅の着工戸数は増加が見込まれることから、18年度が16兆2,300億円(同1.5%増)と微増。19年度は、持ち家、貸し家、分譲住宅すべてで着工減と考えられ、16兆700億円(同1.0%減)と微減の予測とした。

物件検討の長期化傾向が顕著に/RSC調査

アットホーム(株)等の不動産情報サイト運営会社で構成する不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)は24日、都内で研修会を実施し、「不動産情報サイト利用者意識に関する調査」の結果を公表。同会幹事で(株)リクルート住まいカンパニーSUUMO編集長の池本洋一氏が調査結果を解説した。

 過去1年間のうちに、インターネットで自身が住む目的で賃貸または購入する不動産物件情報を調べた人を対象に、同協議会と会員各社のサイトなどで調査。有効回答人数は1,651人。

 物件を調べる際に使ったものについては、「PC」が36.9%(前年比19.2ポイント低下)したのに対して、「スマートフォン」が91.9%(同17.7ポイント上昇)と大きく上昇。賃貸・売買共にスマホという回答が90%を超え、物件探しにおいて存在感が増している。

 契約した人に対して、検討物件の種別を聞くと、賃貸では「賃貸アパート」が79.5%(同2.0ポイント上昇)、「賃貸マンション」が78.8%(同2.4ポイント低下)、「賃貸戸建て」が22.8%(同1.8ポイント低下)。一方で売買は、「新築分譲戸建て」が59.2%(同7.1ポイント上昇)、「中古(既存)戸建て」が48.1%(同4.2ポイント上昇)、「新築分譲マンション」は42.9%(同9.2ポイント低下)、「既存マンション」は46.2%(同3.4ポイント低下)と大きく傾向が変化した。池本氏は、「マンションは用地競争や人材不足、都心偏重などによって直近3年で平均価格が約3割上昇しているのに対して、戸建てはほぼ変化がない。そうした傾向をユーザーが感じ取っているのでは」と分析した。なお、土地は20.9%(同1.2ポイント低下)。

 不動産会社に物件の問い合わせをした平均件数は、賃貸が5.1物件(同0.2物件増)、売買が6.0物件(同0.9物件増)。訪問した会社数は賃貸が2.3社(同0.2社増)、売買が3.1社(同0.7社増)。両設問とも、これまで減少傾向が続いていたが、今回は歯止めがかかった。検討期間の長期化の傾向もみられ、住まい探しを始めてから契約までかかった期間を聞いたところ、3ヵ月以上かかった人の割合は賃貸では13.3%(同12.8ポイント上昇、売買では44.2%(同23.3ポイント上昇)。売買では6ヵ月以上の長期検討が24.6%に達した。