コロナ後のオフィス「縮小したい」3割に

(株)ザイマックス不動産総合研究所は18日、「働き方とワークプレイスに関する首都圏企業調査(2020年8月)」の結果を発表した。

 新型コロナウイルス感染拡大に伴うオフィス利用状況を調査したもので、8月19~31日、首都圏の同社グループ顧客企業1,372社を対象に、メールアンケートを実施。有効回答数は586社。

 オフィスの利用状況ついて聞くと、「極力オフィスが無人になるように制御している」という回答が13.8%、「出社しつつもコロナ危機発生以前より少なくなるように制御している」が65.4%、「原則出社・出社を推奨」が7.0%、「特に制限していない」が13.8%となった。「極力オフィスが無人になるように制御している」「出社しつつもコロナ危機発生以前より少なくなるように制御している」と回答した企業に目標出社率を尋ねると、「0%」が1.5%、「0%超50%未満」が48.3%、「50%以上100%未満」48.7%と回答した。

 働き方・ワークプレイス運用について現在取り組んでいるものについては、「時差出勤の奨励」が72.2%で最多。続いて「換気や消毒などの感染対策の徹底」が68.8%、「テレワークを想定したネットワーク強化やIT機器配布の増加」が58.4%で続いた。

 また、この問いでは、「オフィス面積縮小の検討」という回答が21.8%、「オフィス面積拡張の検討」は3.1%となった。縮小の理由は、「テレワークによる必要面積の減少」が85.2%、続いて「オフィスコスト削減」が74.2%となった。一方、拡張の理由は「ソーシャルディスタンスの確保」が61.1%、「人員増加への対応」が44.4%。「会議室不足」という回答も33.3%に上った。

 コロナ危機収束後のオフィス面積については「拡張したい」が3.2%、「変わらない」が56.0%、「縮小したい」が30.4%となった。また、運用の方向性については、「メインオフィスとテレワークの両方を使い分ける」が54.1%で最も多く、続いて「在宅勤務を推進し、出社を減らす」が37.7%、「健康や感染症対策に配慮したオフィス運用に見直す」が29.7%となった。

所有者不明土地対策の先進的取り組み、1件を採択

国土交通省は18日、令和2年度「所有者不明土地対策の推進に向けた先進事例構築モデル調査」において、1件を支援対象として採択したと発表した。

 同調査は、所有者不明土地対策に関し、地方公共団体やNPO、民間事業者等が単独もしくは連携して行なう地域福利増進事業などの実施に係る先進的な取り組みに対し、その実施に要する費用の一部を国の直轄調査を通じて支援するもの。

 7月15日~8月21日にかけ募集したところ、2件の応募があり、1件を採択。採択したのは、福岡県筑紫野市の一般社団法人(不動産関係)で、管理不全状態の所有者不明土地について、生活環境の改善及び隣接する空き家の流通促進等を図るため、地域福利増進事業による公園(ポケットパーク)等の整備を検討する。

「外国人との共生」テーマにシンポジウム

(公社)日本不動産学会は16日、シンポジウム「国際化に対応した不動産政策―外国人との共生をいかに進めるか」をオンラインで開催した。

 シンポジウムではまず、東京都豊島区政策経営部企画課文化共生推進係長の阿部治子氏が、外国人との共生を促進するために同区が行なっている取組事例を紹介した。
 同区は、1988年を「豊島区国際化元年」と位置付け、全国に先駆けて多国語対応の暮らしの相談窓口を設置。以降30年間で、外国人居住者は3倍に増加。「豊島区外国人区民意識調査」の結果では、約6割が「住みやすい」、約4割は「当分住み続けたい」と感じているとの結果を得られているという。
 2012年には、「豊島区居住支援協議会」を設置し、不動産事業者と共に、空き家を活用した住宅の提供に取り組むなど、官民連携での働きかけも進めている。同氏は、自治体単体での働きかけには限度があると話し、「民間の力を借りることはとても重要。区内で活躍する外国人専門の賃貸仲介・管理事業者の存在も、区内への外国人の流入、区内に住む外国人の暮らしやすさ向上に大きく貢献していると感じる」などと述べた。

 その後、日本で暮らす外国人が増加する中での、不動産政策の在り方について、経済学・社会学・都市工学の専門家が知見を述べた。

 成蹊大学経済学部教授の井出 多加子氏は、技能実習生等は景気変動の影響を受けやすく社会的に弱い立場となる可能性が高いとし、「国籍にかかわらず、技能や資格によって同一労働同一賃金とするべき」と指摘した。
 東京大学大学院人文社会系研究科准教授の祐成保志氏は、移民が受け入れ先の国で安定的な社会的地位を得るためには、「『移民自身が高い人的・経済的資本を有すること』、または、『受け入れ国内でもエスニックコミュニティ(母国が同じ人同士のつながり)を維持すること』が重要とし、その維持のため、受け入れ先の国では、居住や就労をサポートする必要があると話した。
 筑波大学システム情報系社会工学准教授の藤井 さやか氏は、「特定技能実習生の制度が本格開始されたことを背景に、今後は期限制限付き滞在ではなく定住を視野に入れたサポートが求められる」とし、「現状では特定技能生であっても1号要件では家族の帯同が許可されておらず、今後はそうした制度も見直すべき」などと話した。