空家法基本方針、特定空家等ガイドラインを改正

国土交通省は6月30日、空家等対策の推進に関する特別措置法に基づく「空家等に関する施策を総合的かつ計画的に実施するための基本的な指針」(以下、基本方針)と「特定空家等に対する措置に関する適切な実施を図るために必要な指針」(以下、ガイドライン)を改正、公開した。法律施行後の取り組み状況と地方公共団体からの要望を踏まえ、空き家対策をさらに強力に推進するための措置。

 基本方針では、特定空家等の対象には「将来著しく保安上危険又は著しく衛生上有害な状態になることが予見される」空家等も含まれる旨を記載。ガイドラインには、その考え方の例を記載した。所有者等の所在を特定できない場合等については、「民法上の財産管理制度を活用するために、市町村長が不在者財産管理人又は相続財産管理人の選任の申立てを行なうことが考えられる」とした。また、地域の空家等対策に取り組むNPO等の団体について協議会の構成員の例に追加。専門的な相談について連携して対応することも記載した。

 ガイドラインでは、空家等の所有者等の特定に係る調査手法、国外居住者の調査方法及び所有者等を特定できない場合の措置や、災害が発生、災害が発生しようとしている場合は災害対策基本法に基づく措置も考えられる旨を記載した。また、外見上はいわゆる長屋等であっても、それぞれの住戸が別個の建築物である場合には、空家法の対象となるとした。

 改正後の基本方針、ガイドラインは、同省HP参照。

フラット35金利、3ヵ月連続で下降

(独)住宅金融支援機構は1日、取扱金融機関が提供する「フラット35」(買取型)の7月の適用金利を発表した。

 借入期間21年以上(融資率9割以下)の金利は、年1.330%(前月比0.020%下降)~年2.100%(同0.050%下降)。取扱金融機関が提供する金利で最も多い金利(最頻金利)は、年1.330%(同0.020%下降)と、3ヵ月連続で下降した。

 借入期間が20年以下(融資率9割以下)の金利は、年1.200%(同0.020%下降)~年1.970%(同0.050%下降)。最頻金利は年1.200%(同0.020%下降)と、4ヵ月連続の下降となった。

 また、フラット50(買取型)の金利は、融資率9割以下の場合年1.830%~2.300%、9割超の場合年2.090%~2.560%。

2021年路線価、全国平均は6年ぶり下落

国税庁は1日、令和3(2021)年分の路線価を発表した。

 標準宅地の評価基準額の対前年変動率は、全国平均で0.5%下落(前年:1.6%上昇)と6年ぶりに下落した。

 都道府県別では、上昇率が10%以上、5~10%未満となった都道府県がなくなり(いずれも前年は1都道府県)、上昇率5%未満の都道府県も7都道府県(前年:19都道府県)と大きく減った。変動なしの都道府県は山形県のみ(同:なし)、下落率が5%未満が39都道府県(同:26都道府県)と大きく増加した。

 都道府県庁所在都市の最高路線価1位は東京都中央区銀座5丁目・銀座中央通りで、1平方メートル当たり4,272万円(前年比7.0%下落)となったが、36年連続のトップとなった。2位は大阪市北区角田町・御堂筋で同1,976万円(同8.5%下落)、3位は横浜市西区南幸1丁目・横浜駅西口バスターミナル前通りで、同1,608万円(同3.1%上昇)。トップ3の順位は変わらず。上位10都市のうち、上昇は5都市にとどまった。

 最も上昇率が大きかったのは、仙台市青葉区中央1丁目・青葉通りで、3.8%上昇(前年:9.7%上昇)。以下、千葉市中央区富士見2丁目・千葉駅前大通りの3.5%上昇(同:9.6%上昇)、宇都宮市宮みらい・宇都宮駅東口駅前ロータリーの3.4%上昇(同:13.7%上昇)と続いた。

 都道府県庁所在都市の最高路線価は、上昇が8都市(同:38都市)、横ばいが17都市(同:8都市)、下落が22都市(同:1都市)。上昇率5%を超える都市がなくなり(同:19都市)、上昇率5%未満の都市も8都市(同:17)と減少した。

21年路線価、団体トップ等がコメント

国税庁が1日に発表した「令和3(2021)年分路線価」について、業界団体・企業のトップから、以下のようなコメントが発表された(順不同)。

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長 坂本 久氏
(公社)全日本不動産協会理事長 秋山 始氏
(一社)不動産協会理事長 菰田正信氏
三菱地所(株)執行役社長 吉田淳一氏

◆(公社)全国宅地建物取引業協会連合会会長 坂本 久氏

 令和3年分の路線価は、 都道府県庁所在都市の最高路線価の上昇都市は前年分より大幅に減少した。また、下落をした都市も増加を示したことから、標準宅地の評価基準額の対前年変動率の平均値が6年ぶりに下落に転じその変動率はマイナス0.5と新型コロナウィルスの影響を受けた結果であった。

 一方、直近の動向では、国土交通省の地価LOOKレポートでは、下落、横ばい地区が減少し上昇地区が増加していることから地価の回復傾向が伺えること、全宅連不動産総合研究所の土地価格DI調査では4月時点の土地価格の動向は、実感値で全国平均がプラスに転じた結果であったことから足元の確実な回復に期待するものである。

 6月に一部の緊急事態宣言が解除となり、ワクチン接種の進展、オリンピック開催など、消費マインドの変化にも今後期待するとともに、不動産市況や地価にどのような影響を及ぼすかアフターコロナを見据えた社会状況に注視をするものである。

 本会では、本年中に契約の期限が定められている住宅ローン減税の契約期限措置への対応や土地住宅税制の特例措置を要望 していくとともに、地価変動に応じた機動的な固定資産税負担のありかたなど各種施策の提言活動を継続していく。

◆(公社)全日本不動産協会理事長 秋山 始氏

 この度発表された令和3年の路線価(同年1月1日時点)については、評価基準額の対前年変動率全国平均値が6年ぶりに下落に転じるなど、コロナ禍の停滞状況がいまだ継続していることが見て取れる。

 具体的には、昨年に比べ、最高路線価が上昇した都道府県庁所在都市が38都市から8都市に減少する一方で、横ばいが8都市から17都市へ増加、また下落を示した都市は1都市から22都市へ大幅に増加している。もっとも、令和2年の路線価は新型コロナウイルスが国内で蔓延する以前の時点を対象としているため、路線価自体の単純な前年比較は、Withコロナにおいての地価推移を読み解くうえではさほどの意味を持たない。

 この点、国土交通省による「地価LOOKレポート」の令和2年第3四半期(7/1~10/1)から令和3年第1四半期(1/1~4/1)までの経過を概観すると、主要都市の高度利用地等100地区において、上昇地点が1地区→15地区→28地区と大幅に増加するとともに、下落も45地区→38地区→27地区と4半期ごとに減少傾向を示していることが好材料といえるが、いずれも局地性を伴っており全体的な地価の浮揚を期待するのは尚早であろう。

 内閣府による月例経済報告において、2月度から6月度まで5か月連続して「景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」と総括されているとおり、現下の景気動向も一様に把握しづらい状況にあるといえる。

 今後、8月下旬発表の「地価LOOKレポート」第2四半期(4/1~7/1)と9月下旬発表の「都道府県地価調査」(7月1日時点)など市場の動向を見定めるうえで非常に重要な指標のリリースが続く。引続きこれらを注視するとともに、全国3万3千社余りの会員を通じて現場から届く生の声をつぶさに把握していく所存である。

◆(一社)不動産協会理事長 菰田正信氏

 今回発表された路線価では、全国平均が6年ぶりに下落した。本年1月の地価公示における全体的に弱含んだ結果等が反映され、昨年において最高路線価が上昇していた都市においても、今年は横ばいや下落に転じている都市が多くなった。コロナ禍の中での経済の状況等が地価に影響したものと認識している。

 我が国経済は、施策総動員の効果発現も見受けられ持ち直しの動きが続いているものの、コロナ禍の影響が長引き、依然として厳しい状況にある。ワクチン接種の促進による経済活動の拡大を期待するとともに、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みやDXの進展等も踏まえつつ、ポストコロナも見据えた持続的な成長に向け、引き続き事業者の経営環境や経済情勢とあわせて今後の地価動向について十分注視していく必要がある。

 こうした中、コロナ禍を乗り越え、経済回復を確実なものとするとともに、新たな成長の原動力となる脱炭素化やデジタル化、国土強靱化等に資する国内設備投資や、内需の柱である住宅投資を促進させるために必要な施策を引き続き躊躇なく総動員していくことが不可欠だ。

◆三菱地所(株)執行役社長 吉田淳一氏

 2021年の最高路線価は、全国8都市が上昇、17都市が横ばい、22都市が下落した。標準宅地の評価基準額の全国平均値は6年ぶりの下落となった。新型コロナウイルスの影響を受けた結果となったが、働き方の変化などに伴い、不動産事業においては新たなニーズも生まれてきている。引き続き状況は注視していく必要があるが、当社グループとしても、そのような社会の変化に柔軟に対応しながら、事業を推進していく。

 ビル事業においては、東京駅前常盤橋プロジェクト「TOKYO TORCH」が進行中であるが、2021年6月末には先行して「常盤橋タワー」が竣工した。ビル就業者向けの共用スペースを快適に利用できる就業者専用アプリなどのICT施策に加え、共用スペースを活用したチームビルディングプログラムの開発やウェルネス・ビューティー関連サービスの提供など、より自由で柔軟な働き方を実現し、人との出会いやつながりを生み出すオフィスを実現した。内定率も9割に達し、引き合いも多い。2027年度の街区全体完成に向け、いよいよ「TOKYO TORCH」が本格始動する。

 住宅事業においては、テレワーク活用に伴う郊外需要が高まっている一方、利便性の高い都心エリアも引き続き堅調に推移している。「ザ・パークハウス 自由が丘ディアナガーデン」や「ザ・パークハウス 高輪松ヶ丘」等の引き合いが強く、ゆとりある居住空間を実現した「ザ・パークハウス 横浜新子安フロント」等も販売が好調だ。

 また当社は2021年1月に、丸の内エリアにおける当社所有ビルで使用する電力について、2022年度中に全てのビルにおいて再エネ電力とする方針を発表した。3月には面的エネルギー施策の指針として「エネルギーまちづくりアクション2050」を策定した。今後もグループをあげて、持続可能な社会の実現を目指した事業を推進していく。