管理協、適正管理のマンション所有者等への優遇措置要望

(一社)マンション管理業協会は26日、「マンションの適正な管理を確保するための方策に関する要望」を赤羽一嘉国土交通大臣に提出した。

 改正マンション管理適正化法に基づく「管理計画認定制度」マンションや同協会の「マンション管理適正評価制度開示マンション」など、管理状況について一定基準をクリアし、適正な管理を実施するマンションおよび情報開示に取り組むマンションについて、対象区分所有者に対する固定資産税の優遇、対象既存物件購入時においての所得税の控除、固定資産税や贈与税の減税を適用する制度の創設と、共用部分のリフォーム融資における優遇措置としてリフォーム融資の金利や保証料の優遇措置の検討を要望した。

 また、マンション専有部分リフォーム融資における優遇措置として管理計画認定制度で認定された管理組合および、認定を受けられない管理組合のうち同協会によるマンション管理適正評価制度で評価を受け管理状況の情報公開を行なった管理組合に対しては、専有部分のバリアフリー化やヒートショック対策のリフォームを行なう際の高齢者向け返済特例制度を活用した融資の金利優遇や保証料の減免の検討を求めた。

 一方、管理業者の出納業務のIT化及びマンションでの現金の取扱い等に関しても、管理組合資金の決済方法として金融機関のエレクトリックバンキングの活用等に関する周知の検討、マンションでの共用施設利用料の支払い等による管理会社の現金授受廃止に向け電子マネーの普及推進の周知の検討を要望した。

全宅連、所有者不明土地対策等の税制・政策を要望

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会は27日、国土交通省に提出した「令和4年度の税制改正及び土地住宅政策に関する提言書」の内容を公表した。

 税制関係では、住宅用家屋に係る登録免許税や買取再販の住宅用家屋における登録免許税軽減措置、居住用財産の譲渡に係る各種特例、住宅ローン減税制度といった適用期限を迎える各種税制特例措置の延長を求める。また、住宅ローン控除等については築年数要件の廃止、床面積要件の見直しなどの要件緩和や、二地域居住住宅への適用といった内容も盛り込んだ。

 所有者不明土地等の発生抑制・利活用促進に向けては、所有者不明土地を利用して地域のために事業を行なう「地域福利推進事業」の対象事業拡充に向けた所要の措置を求めたほか、空き地・空き家の管理や再生・流通を手掛ける組織であるランドバンクが当該不動産を一時的に取得して流通させる場合の特例措置創設も要望した。また、同連合会が所有者不明土地の最大の問題だとする相続登記を円滑に進めるため、相続登記した場合の登録免許税免除もしくは軽減措置の創設も求めていく。

 さらに空き地・空き家対策として、隣地など一定の空き地・空き地を取得した場合の不動産取得税等の軽減措置も要望。また、空き家等の流通促進に向けて空き家の譲渡所得3,000万円特別控除について、相続時から3年以内とされる適用期間の緩和や築年月要件の見直しを求めるのに加え、事業・貸付の制限についても要件を緩和し、空き家の有効活用を促進する。

 このほか、新型コロナウイルス感染症による影響で固定資産税評価額が据え置かれている土地については、感染状況や経済状況等を踏まえて負担軽減措置を講じることを求めた。また、将来的な消費税率の再引き上げの可能性を考慮し、不動産取得税の見直し、印紙税の廃止など、不動産流通関連の多重課税の抜本的な見直しも要望していく。

 政策関係については、銀行の不動産仲介業参入・保有不動産の賃貸自由化について、高い知名度と豊富な情報量を持つ銀行が不動産仲介業等に参入すれば、地域の中小宅建事業者が圧迫されるとして阻止することを強く要望した。

 既存住宅流通市場の環境整備・流通活性化等に向けては、建物状況調査や既存住宅瑕疵保険、フラット35等で実施される建物の検査等を合理化し、利便性の高い仕組みを構築することを求めていく。賃貸の媒介報酬についても、労務の対価に見合った報酬への見直しを提言している。

 所有者不明土地に関連して、自治体が不要となった空き地・空き家の寄付を受け入れやすくなるよう、必要な制度整備を行なうほか、法定相続情報証明制度における資格者代理人に宅地建物取引士を追加するよう求めた。

 このほか、電子契約の環境整備等を行なうことや、不動産登記制度の改善等を盛り込んだ。

国交省、要除却認定調査・診断の実務マニュアル案

国土交通省は27日、「要除却認定基準に関する検討会」(座長:深尾精一首都大学東京名誉教授)の3回目となる会合を開き、建築士等が老朽化したマンションの「要除却認定」を申請するための調査・診断方法等を具体的に解説する「要除却認定実務マニュアル」の骨子案を示した。

 会合では、6月24日~7月26日まで行なわれた要除却認定基準に関するパブリックコメントへの意見と対応方針が報告された。調査資格者や各類型の基準について27件の意見が寄せられた。調査資格者については住宅の劣化状況等を調査する既存住宅状況調査技術者を活用してはという意見が出されたが、現在の建物状況調査はほとんどが戸建住宅が対象であるため、マンション建替え等に関する専門的知識を有する技術者育成のため、要除却認定等に関する講習の実施を検討していくとした。マンションの将来像の検討と要除却認定基準への妥当性調査の一体的な実施を促進することを念頭に、当面は建築士に限定して運用するとし、「同等以上の知識・経験を有すると認められる者」の活用については、運用状況を踏まえ慎重に対応していく。

 「要除却認定実務マニュアル」は、マンション建替え円滑化法改正の背景やその概要、「火災安全性不足」「外壁等剝落危険性」「配管設備腐食」「バリアフリー不適合」という4つの要除却認定基準の概要と調査・診断方法、管理組合等の要除却認定申請に係る手続き、特定行政庁による審査手順などについて解説したもの。パブリックコメントで「調査すべき箇所や劣化状況の数え方のイメージがわかるようにしてほしい」といった意見が寄せられたことから、マニュアルは調査項目のチェック表に加え、調査・診断箇所をわかりやすく図表で記載する。

 同検討会は今回で議論を終え、同省は12月の施行を目指し、改正省令・告示の具体的な条文作成作業に入る。会合の最後に挨拶した住宅局参事官の矢吹周平氏は「今回の取り組みは、単に老朽化したマンションを除却するというだけでなく、住宅ストックを上手に使っていくという新しいチャレンジ。当省では、老朽化したマンションの除却に加え、マンションの適切な管理についても議論を進めている。良いものを作ってきちんと管理することで、良い住環境の提供を目指していく」などと語った。

大型ファミリー向きマンションの家賃が上昇傾向

アットホーム(株)は27日、同社の不動産情報ネットワークにおける「全国主要都市の『賃貸マンション・アパート』募集家賃動向」(2021年7月)を発表した。入居者が1ヵ月に支払う「賃料+管理費・共益費等」を「家賃」と定義して調査。調査対象は首都圏(東京23区、都下、神奈川県、埼玉県、千葉県)、仙台市、名古屋市、大阪市、福岡市の9エリア。

 賃貸マンションの平均募集家賃の前年同月比上昇率トップは、30平方メートル以下(シングル向き)が「福岡市」(前年同月比3.0%上昇、平均家賃4万9,960円)、30~50平方メートル(カップル向き)が「神奈川県」(同1.9%上昇、同8万8,943円)、50~70平方メートル(ファミリー向き)が「千葉県」(同3.1%上昇、同9万3,040円)、70平方メートル超(大型ファミリー向き)が「神奈川県」(同15.2%上昇、同19万7,303円)。

 シングル向きは6エリアで前年同月を下回った。一方、大型ファミリー向きは、6エリアが前年同月を上回り、神奈川県と埼玉県では15年1月以来の最高値を更新した。

 賃貸アパートの上昇率トップは、シングル向きが「福岡市」(同4.2%上昇、同3万9,328円)、カップル向きが「千葉県」(同3.2%上昇、同6万2,000円)、ファミリー向きが「都下」(同2.8%上昇、同9万1,445円)。

 首都圏での上昇が続いており、都下、神奈川県、埼玉県、千葉県は全面積帯で前年同月を上回った。また、カップル向きの上昇も目立っており、東京23区、神奈川県、千葉県で過去最高値を更新した。