国交省、重説書面等電子化解禁へ遵守事項等を整理

国土交通省は14日、「ITを活用した重要事項説明に係る社会実験に関する検証検討会」(座長:中川雅之氏(日本大学経済学部教授))の8回目となる会合を開催。5月18日までに施行されるデジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律による宅地建物取引業法の改正で、重要事項説明書等の電子化が解禁されることを受け、電子化に当たり遵守・留意すべき事項を議論した。

 会合では、重要事項説明書等の電子書面交付に関する社会実験結果について報告を行なった。賃貸は2019年10~12月および20年9月~21年12月、売買は21年3~12月の間に書面の電子化を実施した宅建士、説明相手に社会実験実施後アンケートした。電子書面交付の実施件数(重要事項説明書、契約締結時書面、媒介契約締結時書面の合計)は、賃貸が1,055件、売買が67件。回答者数は宅建士が賃貸1,065件、売買60件。説明相手は賃貸152件、売買156件。

 アンケートでは、電子書面交付によるトラブルについて賃貸・売買、宅建士・説明相手ともにほぼすべての回答者が「トラブルがない」と回答。電子書面の閲覧についても、説明相手のほぼすべてが「容易に閲覧できた」と答えた。電子書面の見やすさについては、売買では90%が「全体的に見やすく、確認に支障がなかった」としたが、スマートフォンの利用者が多い賃貸では同回答は51%にとどまった。理解のしやすさについても、説明相手の約半数が「紙の書面と同程度」と回答。売買では27%、賃貸では11%が「電子書面のほうが理解しやすい」と答えた。また、ほぼすべての宅建士が電子書面の作成が容易で、電子書面交付に伴う作業や説明に支障がなかったと回答。ほぼすべての宅建士が「電子署名」を利用していた。説明相手の43%(賃貸)、51%(売買)が「今後も電子書面交付を利用したい」と答えた。

 同省は、書面の電子化解禁に向け、社会実験に際し定めた電子化に係るルールに社会実験結果を反映させ、「遵守・留意すべき事項(案)」としてまとめた。遵守すべき事項には、新たに「ダウンロード形式の場合、相手方にダウンロード可能である旨を、専用ページでの閲覧形式の場合、相手方に閲覧可能である旨を通知すること」、留意すべき事項については「相手方が電子媒体を用いた取引に不慣れな場合があるため、操作方法を丁寧に説明することが望ましい」「相手方がスマートフォンのみを用いる場合は、パソコンとの表示上の違いや改変されていないことの確認方法の違いに留意し、画面共有・ハイライトや強調・拡大縮小などの機能を活用し、特に丁寧な対応を行なうことが望ましい」「電子書面の保存の必要性や保存方法についても説明を行なうことが望ましい」などを追加する。

 委員からは、電子書面の「保存の必要性」についてきちんとルール化すべきであるといった意見や、売買の重説書面は文量が多いことから、説明の相手にはスマートフォンではなくパソコンやタブレットなど大画面の機器を薦め、重説にかかる時間の目安を伝えるべきといった意見が挙がった。 同省は、委員の意見を踏まえた「書面の電子化に当たって遵守すべき事項・留意すべき事項」を、電子化解禁までに政省令、宅建業法ガイドライン、マニュアル等に反映する。書面の電子化解禁をもって、同検証検討会での議論は終了する。中川座長は「IT重説の可否から書面電子化まで、前身の委員会含め8年間にわたり議論してきた。不動産行政は国土交通省の中でもプロテクノロジーの分野であり、さまざまな問題がありながら、それを社会実験で解決し政策に導入することは重要。そのために、立場の違う委員の皆さんと不動産流通を活性化させていくための議論ができたことに感謝したい」などと謝意を述べた。
 また、同省不動産・建設経済局不動産業課長の井﨑信也氏は「今日の議論を踏まえ、書面の電子化が法令上可能となる5月までに、必要なルール整備を行ないたい。今後のIT重説や書面電子化の運用・実施状況や技術の進展、社会情勢の変化などを踏まえ、必要な対応を図っていく」などと語った。

親子でずれた希望の条件、1位は「セキュリティ設備」

アットホーム(株)は9日、初めての一人暮らしを始める学生とその親の接客を担当したことのあるアットホーム加盟店を対象に実施した『「初めての住まい探し(一人暮らし)で、学生の親子ですれ違う条件」ランキング』を発表した。

 親子で意見がすれ違う条件の1位は「セキュリティ設備」で36.1%。2位が「学校までの距離」で31.9%、3位が「治安面」の31.1%だった。

 1位の「セキュリティ設備」では、「学生はおしゃれなデザイナーズ物件を望み、親は外観にこだわらずセキュリティ重視の物件を望むため意見が対立しやすい」(愛知県)といったエピソードが聞かれた。2位の「学校までの距離」についても、「親は交通費の節約にもなるので、学校から近いほうがよい」と意見するものの、学生は「学校から少し遠くても、アルバイト先や繁華街に近いエリアを希望」など、同じくずれが見られた。

 初めての住まい探しをする親子へのアドバイスとしては、「コロナ禍を機にオンライン授業など自宅で過ごす時間が増えたので、居住スペースや住み心地を考慮したほうがいい」(東京都)、「治安面を重視する場合は、室内条件だけではなく物件のエントランスや共用部、ゴミ捨て場などの管理状況なども含めて、総合的に判断することが重要」(埼玉県)などの意見が挙げられている。

不動産の買い時感、過去最低水準に

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会は18日、「不動産の日アンケート」の結果を公表した。9月23日の「不動産の日」にちなみ、住宅の居住志向や購買傾向等を毎年調査しているもの。2021年9月23日~11月30日、国内の20歳以上の男女を対象にインターネットで調査した。有効回答数は2万3,349件。

 不動産の買い時感について聞いたところ、「買い時だと思う」が10.5%(前年比6.8ポイント低下)、「買い時だと思わない」が25.6%(同0.1ポイント上昇)、「分からない」が63.9%(同6.6ポイント上昇)。「思う」の回答は過去最低水準に。「分からない」が3年ぶりに6割を超え、先行き不透明な市場の状況がうかがえる。

 買い時だと「思う」理由については、「住宅ローン減税など住宅取得支援策の充実」が41.4%(同4.8ポイント上昇)で最多。「不動産価格が安定・上昇しそう」が25.4%(同2.9ポイント上昇)、「住宅ローンの金利が上昇しそう(今の金利が低い)」が22.5%(同0.3ポイント低下)と、価格・金利の先高観も影響した。一方、「思わない」理由は「不動産価格が下落しそう」と先安観を理由とする回答が28.8%(同2.5ポイント低下)でトップ。このほか「自分の収入が不安定または減少している」が26.5%(同2.1ポイント上昇)、「天災が心配」が9.6%(同1.4ポイント上昇)となった。

 天災に関連して意識するようになった・考えるようになったことについて聞くと、「築年数や構造(耐震・免震)」が44.9%(同5.6ポイント増)と最も多く、「緊急避難場所や防災マップ・ハザードマップ」が39.3%(同4.1ポイント上昇)、「地盤などの状況」31.0%(同4.1ポイント上昇)と、上位3項目がいずれも前年調査よりも回答割合が上昇した。

 また、天災対策として重視することについては「構造(耐震・免震)」が60.6%(同3.4ポイント上昇)、「立地(地盤の強度)」55.4%(同4.4ポイント上昇)と、過半数超え。ハザードマップへの理解について今回初めて質問したところ、「住んでいる地域のハザードマップを見たことがある」48.3%、「聞いたことがあり内容も知っている」37.7%、「住んでいる地域のハザードマップを実際に調べたことがある」27.5%、「聞いたことはあるが内容は知らない」13.2%、「不動産取引の際に説明が義務付けられたことを知っている」9.4%に。「聞いたことがない」5.7%にとどまり、関心・認知ともに高いことが分かった。

 新型コロナウイルス感染症の影響による住み替え検討については、「特に検討していない」が87.0%(同3.6ポイント低下)で最多。ただ、「すでに住み替えた」2.8%(同0.3ポイント低下)、「住み替えを検討した」5.2%(同1.1ポイント低下)、「一度検討したがやめた」5.0%(今回から設問追加)と、検討したユーザーも一定数存在することが分かった。

首都圏で人気の駅トップ、「川崎」駅/アットホーム

アットホーム(株)は10日、不動産情報サイト「アットホーム」の賃貸居住用物件においてアクセス数が多い人気の駅をまとめた「アットホーム人気の駅ランキング 首都圏編」を発表した。

 総合ランキングでは、JR東海道本線・JR京浜東北線・JR南武線の駅で、「東京」駅まで約17分、「横浜」駅まで7分とアクセスが良好な「川崎」駅がトップとなった。2位はJR横浜線他「町田」駅、3位は小田急小田原線「本厚木」駅。

 ワンルーム~1DKのシングル向き物件については、1位が「川崎」駅、2位「町田」駅、3位がJR山手線他「池袋」駅となった。「町田」駅は、古くからある庶民的な店から新しくできた話題の店などでにぎわい、都民のみならず神奈川県民も多く訪れるエリア。

 1LDK~2DKのカップル向き物件でも「川崎」駅がトップに。2位「町田」駅、3位「本厚木」駅と続いた。「本厚木」駅は、公共施設や銀行・商業施設、駅直結のショッピングセンターがあるという生活利便性の良さ、手厚い子育て支援策が整備されていることに注目が集まっている。

 2LDK以上のファミリー向き物件については、買い物利便性の良さに加え、周辺に公共施設や学校・金融機関等が揃うJR東海道線「平塚」駅がトップ。2位「本厚木」駅、3位「町田」駅と続いた。

墨田区での長屋を活用したまちづくり事例を共有

国土交通省は9日、「『ひと』と『くらし』の未来研究会 Season2」の3回目を開催した。

 同研究会では、コアアドバイザーである(株)まめくらし・(株)nest代表取締役の青木 純氏、合同会社ミラマール代表社員の川人 ゆかり氏、プロジェクトデザイナー・(株)umari代表取締役の古田秘馬氏、(株)巻組代表取締役の渡邊享子氏が、賃貸管理会社の今後の役割やあり方等について研究。Season2では、全国の既存不動産を活用したまちづくり等についてケーススタディを進めている。今回は、暇と梅翁(株)代表取締役/すみだ向島EXPO実行委員会委員長の後藤大輝氏をゲストスピーカーに招き、東京都墨田区向島・京島において実施している長屋を活用したまちづくりについて話を聞いた。

 同氏は、長屋の多いまち並みを残したいという思いから、築年数の経過した長屋をサブリースし、アーティスト等に貸し出す活動を10年以上実施している。その数は現在約40戸に上り、まちの活性化に寄与している。長屋等を会場とした芸術祭「すみだ向島EXPO」の開催にも携わり、エリア外からの人を呼び込む活動を展開。また、近年は、不動産会社や地域金融機関、投資家等とも連携し、活用が難しい借地権付きの長屋を買い取り、再生するプロジェクトなども手掛け、事例を増やしている。

 コアアドバイザーからは「まち全体でイベントを開催することで、それがさまざまな人への情報発信となり、物件の客付けにもつながっている」「賃貸管理会社の役割は“まちの構成作家”と考えるが、後藤さんはまさにその役割を担っている」等の感想があった。また、こういった活動を横展開する場合、「不動産を個人が所有して負担するのではなく地域共有の財産として持てる仕組みが必要ではないか」「築年数の古い不動産の保存・運営・管理にかかる資金を支援するための公的な制度が必要だ」等の意見もあった。

 次回は、これまでのケーススタディ等を踏まえ、とりまとめ案について検討。とりまとめは年度内に策定する予定。

首都圏既存マンション、1月は成約20%減

(公財)東日本不動産流通機構は10日、2022年1月の首都圏不動産流通市場動向を発表した。

 同月の首都圏中古(既存)マンション成約件数は2,760件(前年同月比20.7%減)と大幅に減少した。都県別では、東京都1,430件(同19.4%減)、埼玉県328件(同19.6%減)、千葉県351件(同15.8%減)、神奈川県651件(同26.0%減)と、全都県が2ケタ減。

 1平方メートル当たりの成約単価は64万1,800円(同11.5%上昇)と21ヵ月連続の上昇。平均成約価格は4,149万円(同10.0%上昇)と、20ヵ月連続上昇した。新規登録件数は1万2,597件(レインズの物件再登録機能の廃止に伴い前年同月比は非開示)。在庫件数は3万6,632件(同1.1%減)で、26ヵ月連続で減少した。

 既存戸建ての成約件数は、997件(同17.9%減)と再び減少。平均成約価格は3,497万円(同7.0%上昇)となり、15ヵ月連続の上昇となった。

不動産コンサル試験、合格率は37.9%

(公財)不動産流通推進センターは14日、2021年11月14日に実施した令和3年度「不動産コンサルティング技能試験」の合格者等を発表した。

 同試験は全国12会場で実施。1,170人が受験し、444人が合格した。合格率は37.9%。

 合格ラインは、択一式試験と記述式試験の合計200点満点中110点以上。

 合格者の受験番号は、同センターホームページに掲載している。

マンション管理士試験、1,238人が合格

(公財)マンション管理センターは14日、「令和3年度マンション管理士試験」の結果を発表した。

 同試験は2021年11月28日、全国8試験地14会場で実施した。受験者は1万2,520人のうち1,238人が合格した。合格率は9.9%。

 合格最低点は50問中38点以上正解(試験の一部免除者は45問中33問正解)。合格者平均年齢は47.7歳、最高齢は82歳だった。

首都圏既存M成約件数、6ヵ月ぶりに前年比増

(公財)東日本不動産流通機構は14日、2021年12月の首都圏不動産流通市場動向を発表した。

 同月の首都圏中古(既存)マンション成約件数は2,881件(前年同月比13.7%増)と大幅に増加。6ヵ月ぶりに前年同月を上回った。都県別では、東京都1,521件(同18.8%増)、埼玉県333件(同4.7%増)、千葉県348件(同19.6%増)、神奈川県679件(同5.4%増)。全都県で増加したことに加え、数の多い東京都が大幅に増加したことで、全体の増加につながった。東京都は7ヵ月ぶり、神奈川県は6ヵ月ぶり、埼玉県は2ヵ月ぶりに増加し、千葉県は2ヵ月連続の増加となった。

 1平方メートル当たりの成約単価は64万1,700円(同11.6%上昇)となり、20ヵ月連続の上昇。前月と比べても5%超上昇した。平均成約価格は4,116万円(同10.1%上昇)と、19ヵ月連続上昇。新規登録件数は1万3,111件(同8.1%増)と2ヵ月連続の増加。在庫件数は3万5,718件(同6.4%減)で、25ヵ月連続で減少した。

 既存戸建ての成約件数は、1,157件(同7.1%増)となり、5ヵ月ぶりに増加。12月としては1990年の同機構発足以来最多となった。平均成約価格は3,564万円(同2.9%上昇)となり、上昇が14ヵ月で続いている。

既存マンション成約価格、19ヵ月連続プラス

(公財)不動産流通推進センターは14日、全国の指定流通機構における2021年12月の既存住宅の成約動向を公表した。

 既存マンション成約価格は3,299万円(前年同月比11.24%上昇)、1平方メートル単価は49万6,900円(同12.16%上昇)と、共に19ヵ月連続でプラスとなった。専有面積は67.31平方メートル(同0.73%減)と7ヵ月連続のマイナス。築年数は23.84年(同0.61%上昇)と7ヵ月連続のプラス。成約件数は5,317件(同7.50%増)と6ヵ月ぶりにプラスとなった。

 既存戸建住宅の成約価格は2,532万円(同3.38%上昇)と、18ヵ月連続でプラスとなった。建物面積は109.90平方メートル(同3.28%減)と14ヵ月連続のマイナス。土地面積は193.45平方メートル(同0.57%増)、築年数は25.82年(同0.69%増)と、共に2ヵ月連続のプラス。成約件数は3,068件(同6.09%増)と6ヵ月ぶりにプラスに転じた。