不動産証券化手法の担い手育成で2件を選定

国土交通省は10月29日、「不動産特定共同事業等の不動産証券化手法を活用した再生事業の形成に向けた専門家派遣等の支援事業」における支援先を決定した。

 同事業は、遊休不動産の再生・活用を促進し、アフターコロナを見据えた地域課題を解決するため、不動産特定共同事業を中心とした不動産証券化手法による遊休不動産の改修事業を行なおうとする事業者や地方自治体に対して、専門家を派遣し、法務、会計、税務面の検討、事業計画の策定等について支援を行なうもの。同省より委託を受けた(株)価値総合研究所が支援等を行なう。

 7月12日~8月9日にかけ対象者を募集。(株)大一不動産(栃木県大田原市)と兵庫県を選定した。

 大一不動産は、小規模不動産特定共同事業により遊休不動産(空き店舗等)について、アフターコロナを見据えた地域課題解決およびまちなか活性化に資する学生向け混合型共同住宅等へのリノベーションを実施する予定。同省は、小規模不動産特定共同事業の登録申請、事業計画策定の注意点、具体的な税務・会計処理に対する助言等で支援する。

 兵庫県は、小規模不動産特定共同事業等により調達する民間資金を活用し、特定地域(六甲山上)における遊休不動産について、兵庫県、神戸市および不動産業者が連携のうえ、アフターコロナを見据えたシェアオフィス等への利活用を促進する。同省は、県内の不動産業者への小規模不動産特定共同事業の登録等の支援、資格者(業務管理者等)の育成および紹介、会計士および投資判断経験者による事業収支に関するアドバイスならびに資産活用に関するノウハウ・アイディアの提供等の支援を実施する。

「東京リフォームモデルハウス事業」の募集開始

東京都は24日、「東京リフォームモデルハウス事業」の募集を開始した。

 リフォームを実施した住宅をモデルハウスとして活用し、リフォームや既存住宅流通の促進に向けた情報発信を行なう宅地建物取引事業者または建設事業者に対して、運営費用等の一部を補助する。

 対象物件は、1981年6月以降に建築された木造戸建住宅で、応募時点でリフォーム工事前のもの(リフォーム工事後の場合は、工事以前の状況を適切に情報発信できること)。既存住宅売買瑕疵保険の検査基準への適合、モデルハウスの適切な運営などが条件となる。補助金は1ヵ月当たり上限100万円。現地案内・広報は補助率2分の1で補助額81万4,000円まで、備品設置・清掃・補修は補助率3分の2で補助額18万6,000円まで。

 応募受付期間は、2022年1月14日まで。

住宅金融支援機構、大阪市らと空き家等対策を推進

(独)住宅金融支援機構は、大阪市および(株)池田泉州銀行と「大阪市における空家等対策の推進に関する協定」を締結した。

 大阪市では、空き家等の発生の未然防止、所有者等による空き家等の適正管理・利活用に関する対策を推進。空き家所有者等による住宅の性能向上に資する改修やインスペクションへの補助、セミナー・相談会による空き家に関する情報を提供している。

 今回の協定により、大阪市内の空き家を改修・取得する人に対し、同機構と同銀行が提供する「リ・バース60」や、同銀行の「空き家対策応援ローン」の金利引き下げを実施。併せて、三者で連携し、空き家等対策の推進を目的とした制度を広く周知するため、住宅関連団体や事業者等への広報・周知活動に取り組む。

「不動産ID」ルール整備へ検討スタート

オンラインとリアルを併用し、「不動産ID」についての論点整理等を行なった

 国土交通省は24日、「不動産IDルール検討会」の初会合を、オンライン・リアル併用形式で開いた。

 国内の不動産には、土地・建物の共通番号(ID)が存在しておらず、住所や地番はあっても‶表記ゆれ”によって同一物件か否かが直ちには分からない。そのため、不動産会社が仲介や開発する場合に、さまざまな主体が保有する情報の収集や、消費者への情報提供を行なう際に手間や時間がかかるなど、非効率的な業務状況にある。

 同検討会は、そうした課題を解決し不動産業界全体の生産性向上、不動産流通・利活用の促進を目指す不動産DX推進の情報基盤整備の一環として検討されている各不動産に付与する共通コード「不動産ID」の運用ルール等を検討するために設置された。ルール整備を通じて、官民の各主体が保有する不動産関連情報の連携・蓄積・活用を促進するのが狙い。検討会は、業界団体、不動産ポータルサイト運営会社、不動産テック企業、弁護士や大学教授らで構成。座長には牛島総合法律事務所弁護士の田村 幸太郎氏が就任した。

 検討会の冒頭、同省不動産・建設経済局局長の長橋和久氏が挨拶し、「不動産に共通番号がないことによる関連情報の連携や蓄積について課題があることは周知のとおり。今回、産官学の関係者の知見を寄せていただき、共通コードとしての不動産IDにかかるルールを整備するために検討会を立ち上げた。ルール整備を通じて、事業者の負担軽減や、都市計画などとの連携によって不動産業界全体の生産性向上、消費者の利便性向上が期待される。不動産IDは、不動産業界のDXを進める上で、情報基盤整備の一翼を担うものであり、そうした効果を得るための第一歩としてまずはルールを整備し、その後段階的に活用に向けた検討を進めたい」と述べた。

 初回の会合では、不動産IDに関するルール、IDが広く利用されるための方策などについて事務局(国交省)が方向性を提案した上で、課題の抽出や論点整理を行なった。不動産IDとして利用する番号については、2020年7月に閣議決定した「規制改革実施計画」で言及された通り、不動産登記簿の13ケタの不動産番号を使用すると提案した。

 今後は数回の会合を重ね、2022年3月末をめどにとりまとめを公表、不動産IDに係るルールを決定。22年度より順次運用を開始する計画。

団地型マンション再生のためのガイドラインでパブコメ

国土交通省は20日、「団地型マンション再生のための敷地分割ガイドライン(案)」について、パブリックコメント(意見公募)を開始した。

 同省では、マンションの管理の適正化の推進に関する法律及びマンションの建替え等の円滑化に関する法律の一部を改正する法律により、マンションの建替え等の円滑化に関する法律の改正が行なわれ、団地におけるマンションの再生の円滑化を目的とした敷地分割制度が創設された。それらを踏まえ、敷地分割事業の進め方に関する実務的指針として同ガイドラインを検討している。
 同ガイドラインでは、団地型マンション再生のための敷地分割事業(敷地分割後、主に建て替えが行なわれることを想定)において、一般的と考えられる手順(基本プロセス)、合意形成の進め方(衡平性の考え方)、法律上の手続き等に関する基本的な指針が示される。

 意見募集期間は、11月22日まで。詳細は、パブコメページを参照。 なお19日には「マンションの建替え等の円滑化に関する基本的な方針の改正(案)」についてのパブコメも開始。団地におけるマンションの再生の円滑化を目的とした敷地分割制度が創設されたこと等を踏まえ、マンションの建替えの円滑化等に関する基本的な方針について改正を行なう。
 改正案では、敷地分割に向けた区分所有者等の合意形成の促進のために管理組合等が取り組むべき事項、除却する必要のあるマンションに係る要除却認定等の特別の措置を活用する際等に各主体が取り組むべき事項等が定められている。

管理協、適正管理のマンション所有者等への優遇措置要望

(一社)マンション管理業協会は26日、「マンションの適正な管理を確保するための方策に関する要望」を赤羽一嘉国土交通大臣に提出した。

 改正マンション管理適正化法に基づく「管理計画認定制度」マンションや同協会の「マンション管理適正評価制度開示マンション」など、管理状況について一定基準をクリアし、適正な管理を実施するマンションおよび情報開示に取り組むマンションについて、対象区分所有者に対する固定資産税の優遇、対象既存物件購入時においての所得税の控除、固定資産税や贈与税の減税を適用する制度の創設と、共用部分のリフォーム融資における優遇措置としてリフォーム融資の金利や保証料の優遇措置の検討を要望した。

 また、マンション専有部分リフォーム融資における優遇措置として管理計画認定制度で認定された管理組合および、認定を受けられない管理組合のうち同協会によるマンション管理適正評価制度で評価を受け管理状況の情報公開を行なった管理組合に対しては、専有部分のバリアフリー化やヒートショック対策のリフォームを行なう際の高齢者向け返済特例制度を活用した融資の金利優遇や保証料の減免の検討を求めた。

 一方、管理業者の出納業務のIT化及びマンションでの現金の取扱い等に関しても、管理組合資金の決済方法として金融機関のエレクトリックバンキングの活用等に関する周知の検討、マンションでの共用施設利用料の支払い等による管理会社の現金授受廃止に向け電子マネーの普及推進の周知の検討を要望した。

全宅連、所有者不明土地対策等の税制・政策を要望

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会は27日、国土交通省に提出した「令和4年度の税制改正及び土地住宅政策に関する提言書」の内容を公表した。

 税制関係では、住宅用家屋に係る登録免許税や買取再販の住宅用家屋における登録免許税軽減措置、居住用財産の譲渡に係る各種特例、住宅ローン減税制度といった適用期限を迎える各種税制特例措置の延長を求める。また、住宅ローン控除等については築年数要件の廃止、床面積要件の見直しなどの要件緩和や、二地域居住住宅への適用といった内容も盛り込んだ。

 所有者不明土地等の発生抑制・利活用促進に向けては、所有者不明土地を利用して地域のために事業を行なう「地域福利推進事業」の対象事業拡充に向けた所要の措置を求めたほか、空き地・空き家の管理や再生・流通を手掛ける組織であるランドバンクが当該不動産を一時的に取得して流通させる場合の特例措置創設も要望した。また、同連合会が所有者不明土地の最大の問題だとする相続登記を円滑に進めるため、相続登記した場合の登録免許税免除もしくは軽減措置の創設も求めていく。

 さらに空き地・空き家対策として、隣地など一定の空き地・空き地を取得した場合の不動産取得税等の軽減措置も要望。また、空き家等の流通促進に向けて空き家の譲渡所得3,000万円特別控除について、相続時から3年以内とされる適用期間の緩和や築年月要件の見直しを求めるのに加え、事業・貸付の制限についても要件を緩和し、空き家の有効活用を促進する。

 このほか、新型コロナウイルス感染症による影響で固定資産税評価額が据え置かれている土地については、感染状況や経済状況等を踏まえて負担軽減措置を講じることを求めた。また、将来的な消費税率の再引き上げの可能性を考慮し、不動産取得税の見直し、印紙税の廃止など、不動産流通関連の多重課税の抜本的な見直しも要望していく。

 政策関係については、銀行の不動産仲介業参入・保有不動産の賃貸自由化について、高い知名度と豊富な情報量を持つ銀行が不動産仲介業等に参入すれば、地域の中小宅建事業者が圧迫されるとして阻止することを強く要望した。

 既存住宅流通市場の環境整備・流通活性化等に向けては、建物状況調査や既存住宅瑕疵保険、フラット35等で実施される建物の検査等を合理化し、利便性の高い仕組みを構築することを求めていく。賃貸の媒介報酬についても、労務の対価に見合った報酬への見直しを提言している。

 所有者不明土地に関連して、自治体が不要となった空き地・空き家の寄付を受け入れやすくなるよう、必要な制度整備を行なうほか、法定相続情報証明制度における資格者代理人に宅地建物取引士を追加するよう求めた。

 このほか、電子契約の環境整備等を行なうことや、不動産登記制度の改善等を盛り込んだ。

国交省、要除却認定調査・診断の実務マニュアル案

国土交通省は27日、「要除却認定基準に関する検討会」(座長:深尾精一首都大学東京名誉教授)の3回目となる会合を開き、建築士等が老朽化したマンションの「要除却認定」を申請するための調査・診断方法等を具体的に解説する「要除却認定実務マニュアル」の骨子案を示した。

 会合では、6月24日~7月26日まで行なわれた要除却認定基準に関するパブリックコメントへの意見と対応方針が報告された。調査資格者や各類型の基準について27件の意見が寄せられた。調査資格者については住宅の劣化状況等を調査する既存住宅状況調査技術者を活用してはという意見が出されたが、現在の建物状況調査はほとんどが戸建住宅が対象であるため、マンション建替え等に関する専門的知識を有する技術者育成のため、要除却認定等に関する講習の実施を検討していくとした。マンションの将来像の検討と要除却認定基準への妥当性調査の一体的な実施を促進することを念頭に、当面は建築士に限定して運用するとし、「同等以上の知識・経験を有すると認められる者」の活用については、運用状況を踏まえ慎重に対応していく。

 「要除却認定実務マニュアル」は、マンション建替え円滑化法改正の背景やその概要、「火災安全性不足」「外壁等剝落危険性」「配管設備腐食」「バリアフリー不適合」という4つの要除却認定基準の概要と調査・診断方法、管理組合等の要除却認定申請に係る手続き、特定行政庁による審査手順などについて解説したもの。パブリックコメントで「調査すべき箇所や劣化状況の数え方のイメージがわかるようにしてほしい」といった意見が寄せられたことから、マニュアルは調査項目のチェック表に加え、調査・診断箇所をわかりやすく図表で記載する。

 同検討会は今回で議論を終え、同省は12月の施行を目指し、改正省令・告示の具体的な条文作成作業に入る。会合の最後に挨拶した住宅局参事官の矢吹周平氏は「今回の取り組みは、単に老朽化したマンションを除却するというだけでなく、住宅ストックを上手に使っていくという新しいチャレンジ。当省では、老朽化したマンションの除却に加え、マンションの適切な管理についても議論を進めている。良いものを作ってきちんと管理することで、良い住環境の提供を目指していく」などと語った。

デジタル社会整備法、所要規定整備の政令が閣議決定

先般成立した「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律」(以下、「整備法」)の施行に伴う規程整備を行なうため、「デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の施行に伴う国土交通省関係政令の整備等に関する政令」が30日に閣議決定された。

 整備法では、行政手続・民間手続きにおける押印を不要とすると共に、民間手続きにおける書面交付などについて電磁的方法で行うことを可能とする見直しが行なわれた。これを踏まえ、国土交通省所管の9政令について、所要規定整備を行なう。

 「建築士法施行令」「公共工事の前払金保証事業に関する法律施行令」「建設業法施行令」「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律施行令」「マンションの管理の適正化の推進に関する法律施行令」については、書面手続きを電子化する改正が行われたことに伴い、手続きを定める等の改正を行なう。

 「土地区画整理法施行令」「都市再開発法施行令」「マンションの建替え等の円滑化に関する法律施行令」については、押印手続きを不要とする等の改正を行なう。

 「大都市地域における住宅及び住宅地の供給の促進に関する特別措置法施行令」については、整備法施行に伴う条項ずれの反映、その他の改正を行なう。

 公布日は8月4日、施行日は9月1日。

所有者不明土地法の見直し等に向け審議/国交省

国土交通省は30日、国土審議会土地政策分科会企画部会(部会長:中井検裕氏(東京工業大学環境・社会理工学院長))の第42回目となる会合を開催。所有者不明土地法施行後3年経過の見直しや、土地基本法に基づく土地基本方針の変更に向けた調査審議を行なった。

 事務局から、今後の調査審議事項について提案。所有者不明土地法の見直しに向けた部会とりまとめに関する議論、土地基本方針の改定を見据えた土地関連施策に関する幅広な議論を求めるとした。それらを踏まえ、2022年12月末に部会とりまとめを行ない、次期通常国会に所有者不明土地法改正案を提出する。

 また、6月7日に行なわれた「第8回 所有者不明土地等対策の推進のための関係閣僚会議」で検討された内容を報告。主な検討事項として、(1)所有者不明土地の円滑な利活用を図るための仕組みの拡充、(2)管理不全土地の適正管理を図るための仕組み、(3)低未利用土地の円滑な利活用を図るための仕組み、を挙げた(詳細は6月7日のニュースを参照)。

 20年の法改正により見直された、地籍調査の円滑化・迅速化に向けた対応についても説明。土地所有者等の探索にあたっては固定資産課税台帳等の利用が可能となり、探索を行なってもなお所在が不明な場合には、筆界の現地における位置と推定される位置を図面等に表示した筆界案の公告による調査が可能となったことなどを挙げた。また、地方公共団体による筆界特定申請ができるほか、山村部におけるリモートセンシングデータを活用した地籍調査が可能となったことについても説明した。

 これらを踏まえ、委員から「地籍調査については、都市部における官民境界の先行的な調査の促進が必要だが、財政的な問題や専門部署の設置・人材育成等の問題で調査が進んでいないのが現状。国による市町村へのさらなる支援が必要」「民間事業者による宅地開発事業等の測量・調査成果を活用することは有意義。制度の理解と普及・促進を図るため、民間事業者への周知徹底を図っていただきたい」といった意見があった。
 また、「地域福利増進事業の拡充にあたり、現在の活用実績を示していただきたい。やや利用しづらいのであれば、その原因を分析することも必要ではないか」「再生可能エネルギーの整備事業追加の検討を行なうのであれば、資源エネルギー庁など関係省庁から、現状の土地利用の観点からどのような課題があり、どのような対策が進んでいるのかをヒアリングする必要があるのでは」といった意見も挙がった。

 次回の会合は、9月16日に開かれる予定。