所有者不明土地、責務や必要な措置の方向性を議論

国土交通省は24日、第6回国土審議会土地政策分科会特別部会(部会長:早稲田大学大学院法務研究科教授・山野目 章夫氏)を開催した。

 同部会は、所有者不明土地の発生抑制・解消に向けた土地所有に関する基本制度の見直しを行なってきた。今回は、土地所有者の責務および関係者の役割について、必要な措置の方向性について議論した。

 所有者不明土地の発生を抑制するためには、所有者自身による土地の適切な利用・管理を促すことが必要であるとし、責務を果たさず、周辺の土地や関係者に悪影響を与える場合には、度合いに応じて土地所有権が制限を受ける場面があるとした。どのような水準・内容の利用・管理を行なうかについては、周辺地域で関係者が必要に応じて話し合い、合意形成を図ることが望ましいとした。また土地を手放す仕組みとしても、最終的に国が土地を譲り受ける手続きを設けることを検討すべきとした。

 参加した委員からは「時代や社会経済の変化で色々な責務が出てくる。中身を整理して、どんなレベルのものなのか具体的な中身を盛り込んでは」「悪影響の中身を明確にしたほうが望ましいのでは」といった意見が出た。

 また、求められる管理の在り方については、「積極的に土地を使いなさいと、所有者に対して上から目線で言いつけるようになっていないかが心配」「土地を使わないということも含めた合意形成を入れてもいいのでは」などの意見も寄せられた。土地を手放す仕組みと関係については、「放棄すれば問題が解決するわけではない。条件を満たさない、誰も引き取り手がいない、漏れてしまう土地もどうするのかも考えたい」「最終的に国が最後の拠り所として存在することは必要。日本版のランドバンクのような仕組みをつくれないか」などの議論が交わされた。

 部会では、委員からの意見を踏まえ、2月15日開催の次回会合までにとりまとめを行なう予定。

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断熱改修で居住者の起床時血圧が低下

国土交通省は24日、スマートウェルネス住宅等推進事業に関連して支援している「断熱改修等による居住者の健康への影響調査」(2014~18年度)の3回目となる中間報告結果を発表した。

 調査は、(一社)日本サスティナブル建築協会が実施。断熱改修を予定している全国約2,300軒(約4,100人)を対象に、改修前の健康調査、断熱改修後(679軒・1,194人)の居住者の健康調査を行ない、比較検証した。

 調査では、断熱改修により室温が年間を通じて安定している住宅では、居住者の血圧の季節差が顕著に小さかったほか、改修後に居住者の起床時の最高血圧が低下することが分かった。室温上昇により暖房習慣が変化した住宅では、住宅内の身体活動時間が増加する傾向にあった。

 室温が低い家ではコレステロール値が基準を超える人や心電図の異常所見がある人が多かったほか、就寝時の室温が低い家ほど夜間頻尿の人が多かった。これらの人は、断熱改修により就寝前室温が上昇することで、症状が緩和した。また、床近くの室温が低い住宅では、さまざまな疾病や症状を持つ人が多かった。

 なお、今回の中間報告についての報告会が、2月1日、ホテルグランドアーク半蔵門(東京都千代田区)で開催される。参加費は無料(定員300名)。詳細は、日本サスティナブル建築協会ホームページ(http://www.jsbc.or.jp/)参照。

既存住宅状況調査の斡旋、媒介契約の2割

国土交通省は、2018年度上半期の既存住宅状況調査の実施状況を明らかにした。

 宅地建物取引業法に基づく同調査の制度施行から半年が経過したことから、既存住宅状況調査技術者の所属する事務所に対してアンケートを実施した。対象事業所数は2万3,364件(技術者数は2万9,085人)、有効回答数は3,513件(5,441人)。調査期間は10月25日~11月16日。

 4~9月の既存住宅状況調査の実施件数は5,932件だった。「既存住宅現況調査(「既存住宅インスペクション・ガイドライン」(国交省、13年6月発表)にもとづく調査)」も含めると年間で1万2,904件と17年度と比較して2倍に達する見込みであるとした。同件数は既存住宅流通戸数(16万9,000戸)の推定8%程度。

 昨年度と比較して、調査等の実施件数が増えた事業所は13.4%、減少した事業所は4.4%だった。

 併せて宅建事業者(流通団体に所属する宅建業免許を保有する事業者)にも同調査の斡旋状況についてアンケートを実施。413件の回答を得た。調査期間は11月12~26日。

 その結果、媒介契約件数1万7,495件のうち「斡旋希望があった」のは18%。売り主からは16%、買い主からは2%だった。希望者のうち実際に斡旋したのは93%。そのうち売買契約締結に至ったのは62%。

利用困難な土地の管理者支援策示す

国土交通省は20日、国土審議会計画推進部会「第11回国土管理専門委員会」を開催した。

 同委員会は2016年9月より、国土形成計画の推進に関し、人口減少下における持続可能な国土の利用・管理を推進するための施策のあり方について議論。第11回目となる今回は、2019年とりまとめの骨子案について議論を交わした。

 骨子案は、「収益性等の観点から利用が困難な土地の管理のあり方」と題し、それらの土地の管理者等への支援を新たな施策として提言する方針。前提として、当該土地を放置することで災害リスクの増大といった著しい「外部不経済」が発生する場合は、管理方法を模索し、その抑制をすることが重要とする。内容については、アンケート・各地の事例を踏まえ算出した当該土地の発生数、必要な管理、管理方法を選択するための判断材料のほか、国・地方自治体・研究機関といった、主体ごとに求められる役割と課題について盛り込んだ。

 同骨子案に対し各委員から、さまざまな意見が出た。外部不経済については、「その解消を考える主体組織がない地域は、国からの支援が必要だ」「一つの集落だけを見て、外部不経済が発生しない、というのは無理がある。隣接する集落や、エリアなども含めて検討すべき」などの指摘があった。また、「“収益性”という言葉に疑問を感じる。例え収益性が無くても、管理者が管理をしていれば問題ない。問題なのは、“管理しきれない”という事実」という意見も挙がった。

 今後は、17・18・19年で発表した3つのとりまとめすべての視点を持って、全体とりまとめの作成を目指す。

一級建築士試験「設計製図の試験」の合格率41.4%

国土交通省は20日、10月14日に実施した、平成30年一級建築士試験「設計製図の試験」の合格者を発表した。

 合格者数は3,827人で、合格率は41.4%だった。受験者数は9,251人。7月22日開催の「学科の試験」合格者(4,742人)や過去2年間に同試験を合格した人が受験できる。

 なお、平成30年一級建築士試験の総受験者数は3万545人、合格率は12.5%となる。

床下点検ロボ普及へ認定資格を全国展開

(一社)住宅産業先端技術革新協議会(会長:大堀正幸氏)は、「床下点検ロボット」を用いた床下点検を行なう技術者の認定資格「床下点検技術者資格」の全国普及に向け、同資格試験の運営団体募集説明会を、12月17日に開く。

 同団体は、住宅産業に関わる施工や点検業務等をより安全・効率的に実施するため、最新の IT 技術等の活用研究と先端技術を活用できる人材育成に取り組むことを目的に、リフォーム事業者、瑕疵保険法人、不動産流通会社、シロアリ駆除会社などをメンバーに10月に発足。まず、床下点検ロボットの普及に向けた認定資格を立ち上げた。

 インスペクションや既存住宅状況調査の普及、長期優良住宅の点検増加等で、床下点検のニーズが高まる一方で、狭い空間での作業が強いられることや専門技術や知識が必要なことから、床下点検技術者が慢性的に不足している。これを補うために、小型の床下点検ロボットが開発されたが、その操作には専門知識が必要なことから、それらの知識を持った人材を認定し、ロボットによる業務効率化と床下点検率の向上、ひいては既存住宅の長寿命化に貢献するのが狙い。

 認定資格は、同協議会が定める指定講習を受講し、床下点検ロボットを正確に操作することができることと、ロボットにより収集した情報をもとに、床下の状況を分析し異常箇所に対する適切な対策、将来に向けた家屋保全のための予防策を講じるための知識を問うもの。試験会場に設置されたコースで実際にロボットを操作する実技試験と、指定講習終了後、床下診断知識、消費者への提案技術等について問う筆記試験により、認定する。10月24日に第1回認定試験を実施している。

 同協議会は、全国の建材会社や住宅・不動産関連会社に認定資格の運営団体となってもらうことで、同資格の普及を加速させる考え。

人手不足感、不動産業は51業種中、36位

(株)帝国データバンクは21日、「人手不足に対する企業の動向調査」結果を公表した。調査結果は10月18日~31日、調査対象は全国2万3,076社で有効回答は9,938社(回答率43.1%)。

 現在の従業員の過不足状況を尋ねたところ、正社員が「不足」している企業は52.5%(前年比3.4ポイント増)で、過去最高を更新した。「適正」は40.1%(同2.6ポイント減)、「過剰」は7.4%(同2.8ポイント減)。

 従業員が「不足」している比率を業種別(全51業種)でみたところ、「放送」が78.6%(同24.8%増)でトップ。「情報サービス」(74.6%、同3.5ポイント増)が続く。「建設」は68.6%(同5.1ポイント増)で4位。不動産業は、40.4%(同3.6ポイント増)の36位だった。規模別では、「大企業」では6割以上の企業(60.8%、同4.4ポイント増)が不足と回答。「中小企業」は50.3%(同3.1ポイント増)と初めて5割を越えた。

 非正社員が「不足」している企業は、34.1%(同2.2ポイント増)で、初めて3割台となった。2017年10月以降、3割を超える高水準で推移している。「適正」は59.7(同2ポイント減)、「過剰」は6.2%(同0.2ポイント減)。業種別では、「飲食店」が84.4%(同3.9ポイント減)でトップ。「飲食料品小売」(56.3%、同4.6ポイント減)が続く。不動産業は、30.6%(同4.1%増)の31位だった。