所有者不明土地、3課題について意見交換

国土交通省は12日、第4回国土審議会土地政策分科会特別部会(部会長:早稲田大学大学院法務研究科教授・山野目 章夫氏)を開催した。

 同部会では、2017年9月より「所有者不明土地」(不動産登記簿等の所有者台帳により所有者が直ちに判明しない、または判明しても連絡がつかない土地)の円滑な利用に向けた検討を行ない、同年12月に中間とりまとめを発表。これを踏まえて18年6月に「所有者不明土地の利用の円滑化等に関する特別措置法案」が成立した。第4回は、残る重要な課題である所有者不明土地の発生抑制・解消に向けて、人口減少社会における土地制度のあり方について検討を行なった。

 はじめに事務局が、(1)所有者不明土地を利用しようとする際に、所有者の探索や制度の活用に多大な労力・時間を要する、(2)土地が適切に利用・管理されず、周辺に悪影響を与える場合がある、(3)所有意識がない者が相続するなどして、登記簿から直ちに所有者が判明しない、または境界の確定が困難になり、有効に利用したい者が利用できなくなる、という3つの課題が提示された。また、土地所有に関する制度の基本となる土地基本法について、単に所有されている場合についての規律が明確でないため、見直しが必要だとし、利用意向がある所有者不明土地や、過疎地域、管理が求められている土地など課題事例を紹介した。

 参加した委員からは「土地基本法の抜本的見直しが必要」とする意見の他、「これまでは所有権を重視していたが、管理権にウエイトを置いたほうがいいのでは」「土地を手放したいという要請が増えてきているので、所有権放棄の制度を検討する必要があるのでは」などの意見が出された。また、所有者不明土地になるのは、相続が大きな要因だとして、「相続の際に登記を義務化するなど、不明にならないようにする観点が重要」とする意見も出た。

 また、所有者としての在り方については、「所有することへの負担感が増えてしまうと、相続したくないという人が増える。土地の管理の委託や、譲渡できるなどの受け皿を用意するほか、手続きを簡略化したほうがいいのではないか」という意見も。その他「所有者の管理責務どこまで及ぶのか、あるべき姿を明確にして、所有者が責務を果たせる仕組みをつくっていく」、「実際には、管理をやりたくでもできない人が多いのではないか。管理の在り方、託せる仕組み、法規制で切って迫るよりも、いくつかの仕組みを用意したほうがいいのではないか」など、議論が交わされた。

 特別部会では18年9月~19年2月までに4回程度開催し、制度の具体的な方向性についてとりまとめを行なう予定。

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自治体が検討中の案件で官民対話

国土交通省と内閣府は、官民連携事業の事業化検討を促進することを目的に、自治体が検討中の83件の官民連携事業について、官民対話(サウンディング)を実施する。

 全国7ヵ所(札幌、仙台、東京、名古屋、大阪、広島、福岡)で9月に開催。市場性の有無や実現性の高い事業スキームなど、民間事業者から幅広くアイディア・意見を聞く場を設ける。

「稼げる国土のあり方」検討課題を整理

国土交通省は26日、国土審議会計画推進部会「第9回稼げる国土専門員会」(委員長:坂田一郎氏[東京大学大学院工学系研究科教授・イノベーション政策研究センター長])を開催した。2015年8月に閣議決定した新たな国土形成計画(全国計画)に盛り込まれた「対流促進型国土」について検討する専門委員会。

 今回は、これまでに検討してきたフェーズ1「地方都市を中心とした地域発イノベーション」、フェーズ2「大都市圏の整備を通じた地方都市等との重層的な連携」を踏まえ、フェーズ3「各地域の重層的な対流による稼げる国土のあり方」を検討する初回の会合となった。

 冒頭、事務局(国交省)がフェーズ1・2の検討内容の振り返りとフェーズ3での検討課題を示した。「取り組もうとしても実際の取り組みに着手することができていない地域が、取り組むことが可能となる」ための環境整備を含めた「稼げる国土」のあり方を検討していく方向性を提示。そのために、重要インフラであるリニア中央新幹線の整備に関連する「スーパー・メガリージョン構想検討会」との連携や、事例調査等を進めていく。

 これら課題に対して、委員からは「国策として国際展示会を企画するなど、地域産業と顧客との接点を形成することを検討してもいいのでは」「ITでできること、フェイスtoフェイスでしかできないことの役割分担も検討していく必要がある」などの意見が挙がった。

 また、スーパー・メガリージョン構想検討会の事務局から、検討会の概要や進捗状況に関する説明があったほか、全国で学びや働く場の整備等を通じて地域活性化につなげているハバタク(株)共同代表の丑田俊輔氏が自社の取り組みを紹介した。

IT導入支援事業者として認定/アットホーム

不動産情報サービスのアットホーム(株)は、経済産業省の「サービス等生産性向上IT導入支援事業(IT導入補助金)」において、「IT導入支援事業者」として採択された。

 IT導入補助金制度は、IT導入支援事業者が提供するITツールを導入する経費の一部を補助することで、中小企業・小規模事業者等の業務効率化・売上アップをサポートするもの。

 同社は、ホームページ作成支援等、同社のITツールが補助金対象の認定を受けたことにより、導入不動産会社のコスト削減や経営力向上を支援するほか、補助金交付の代理申請やサービス導入後のアフターフォローも実施。スムーズな制度利用をバックアップする。

京都簡易宿所・民泊協、駆け付け要件の緩和要望

(一社)京都簡易宿所・民泊協会はこのほど、京都市に対し「住宅宿泊事業法の施行に関する要領(ガイドライン)」に関する意見書を提出した。

 同ガイドラインでは、家主不在型民泊の運営にあたっては、適切な管理を行なうため、現地対応管理者を届出住宅から徒歩を基準として算出した「おおむね800m以内」に待機させることを義務付ける、いわゆる「駆け付け規制」が設けられており、民泊運営の大きな障害となっている。

 同協会では、ガイドラインでは現地対応管理者駐在場所から届出住宅までの交通手段を「徒歩」「自転車」「その他」としており、自転車による移動が予定されていることから、自転車の走行速度を時速12kmと低く見積もっても10分で2kmの移動が可能だとして、待機場所から届出住宅までの距離を「おおむね800m以内を原則とするが、自転車を用いる場合はおおむね2km以内とする」よう求めた。

 また、同様の駆け付け要件が規定されている同市の改正旅館業法施行条例(5月31日成立)についても、同じ見直しを求めた。

全宅連、空き家対策等で報告書とりまとめ

(公社)全国宅地建物取引業協会連合会は25日、「空き家対策等地域守りに関する調査研究報告書:RENOVATION2018」をとりまとめ、公表した。

 2014年に策定した「ハトマーク・グループビジョン」に掲げる、宅建事業者が地域を顧客ととらえ、地域まもり・家まもり・資産まもりの継続的実施の達成に向け、同会の不動産総合研究所が同会会員をはじめとする不動産事業者等の先進的事例をとりまとめたもの。

 住宅確保要配慮者への居住支援やまちづくり・地域活性化、空き家対策等、宅建事業者の事業を通じて社会や地域に貢献している各社を紹介しており、中小不動産事業者が今後どういったビジネスを展開していくべきか、指針となる内容とした。今回で4冊目。

 18年版は、(1)これからの不動産業の役割を考える、(2)地域の安全性を確保する、(3)顧客志向の企業経営の実践、(4)地域を魅力的にする試み、で構成。25事業者を紹介した。全160ページ。ビジョンに沿ったメインテーマである(2)と(4)では、セーフティネット住宅への対応やタウンマネジメント実践等を紹介。取材を通じてその重要性が見えてきた(3)を新たに追加したほか、宅建事業者以外のの視点による不動産業の今後の展望も参考になるとして、(1)等で大学教授や工務店、オーナー等への取材も掲載した。

 同研究所専門スタッフの岡崎卓也氏は「今年度は、同報告書の取材で見えてきたセーフティネット住宅の拡大や空き家再生時の資金調達手法等の課題を、研究テーマにしたい」と話した。セーフティネット住宅に関しては、8月以降に研究会を立ち上げる計画。また、10月以降に、同報告書に掲載してきた事業者を講師とした事例発表会を一般公開型イベントとして開催する予定。

大規模修繕積立金を課税対象外に/ちんたい協が要望

(公財)全国賃貸住宅経営者協会連合会(ちんたい協会)はこのほど、予算編成および税制改正等における要望事項を理事会で決議した。

 重点要望事項として、(1)賃貸マンションやアパートの大規模修繕積立金を課税対象外とすること、(2)既存住宅に改修工事等を施した場合、その価値を適正に評価する制度の創設、(3)家賃滞納者への明け渡しに係る指針の明示、および解約に係る正当事由の改善を挙げた。

 また、現行通り「家賃および共益費への消費税課税は対象外」とすること、住宅扶助費等は原則、家主等へ直接支払う代理納付とすることを継続要望事項とした。