業況指数、分譲は上昇・流通業は下落基調

(一財)土地総合研究所は20日、四半期ごとに実施している「不動産業業況等調査」の結果(2020年1月1日時点)を発表した。経営状況および3ヵ月後の経営見通しについて、業種ごとに不動産業業況指数を算出している。0が判断の分かれ目。

 不動産業業況指数は、住宅・宅地分譲業が15.6(前回調査比5.3ポイント上昇)で、28期連続のプラス。不動産流通業(住宅地)はマイナス16.7(同10.4ポイント下落)で3期連続のマイナス。ビル賃貸業は32.0(同6.5ポイント下落)、プラス水準は23期連続となった。

 業種別では、住宅・宅地分譲業の用地取得件数はマイナス20.7(同20.7ポイント下落)、モデルルーム来場者数はマイナス36.7(同11.7ポイント下落)、成約件数はマイナス25.8(同16.2ポイント下落)、在庫戸数は31.1(同3.3ポイント上昇)、販売価格の動向は15.6(同5.0ポイント下落)となった。在庫戸数は44期連続して減少傾向にあるという見方が続いている。販売価格は31期連続で「上昇した」という回答が「下落した」を上回った。

 不動産流通業の「既存マンション等」では、売却依頼件数がマイナス17.9(同6.8ポイント下落)、購入依頼件数はマイナス29.1(同16.1ポイント下落)、成約件数はマイナス38.2(同14.1ポイント下落)、取引価格は4.5(同4.5ポイント上昇)。
 「既存戸建住宅等」においては、売却依頼件数がマイナス17.2(同15.4ポイント下落)、購入依頼件数がマイナス26.3(同15.6ポイント下落)、成約件数がマイナス31.6(同15.5ポイント下落)、取引価格はマイナス3.4(同6.1ポイント下落)だった。

 ビル賃貸業については、空率の状況が35.3(同11.6ポイント上昇)、成約賃料動向は50.0(同20.8ポイント上昇)。空室は25期連続で減少傾向、成約賃料は24期連続して上昇傾向にあるとの見方が強かった。

 3ヵ月後の経営状況見通しについては、住宅・宅地分譲業がマイナス1.6、不動産流通業(住宅地)がマイナス11.4、ビル賃貸業はマイナス8.0となった。

全国マンション、発売12%減少。価格は過去最高

(株)不動産経済研究所は20日、2019年の全国マンション市場動向を発表した。

 同年のマンション発売戸数は、全国で7万660戸(前年比12.0%減)。3年ぶりの減少で、1976年の4万9,955戸以来の低水準にとどまった。地域別では、首都圏3万1,238戸(同15.9%減)、近畿圏1万8,042戸(同13.9%減)と主要2エリアが2ケタ減。このほか、東海・中京圏4,650戸(同9.1%減)、北海道1,390戸(同15.4%増)、東北1,837戸(同3.6%増)、関東1,332戸(同5.1%減)、北陸・山陰453戸(同0.7%増)、中国2,724戸(同2.1%増)、四国465戸(同47.6%減)、九州8,529戸(同1.6%減)となった。

 1戸当たりの平均価格は4,787万円(同0.6%上昇)、1平方メートル当たり単価は72万6,000円(同1.8%上昇)。平均価格は3年連続、単価は7年連続の上昇で、いずれも過去最高を更新した。

 事業者別の供給戸数は、住友不動産(株)が5,690戸で首位。以下、(株)プレサンスコーポレーション5,305戸、野村不動産(株)3,941戸、三菱地所レジデンス(株)3,365戸、三井不動産レジデンシャル(株)2,365戸となった。これら上位5社については前年から順位変動はなかった。

 2020年の発売戸数は7万戸(同0.9%減)で、ほぼ横ばいの見通し

1月のレインズ、成約報告が9ヵ月連続減

(公財)不動産流通推進センターは20日、2020年1月における全国の指定流通機構の活用状況を公表した。

 同月の新規登録件数は40万8,265件(前月比20.7%増)で、3ヵ月ぶりに増加に転じた。成約報告件数は4万6,491件(前年同月比7.8%減)となり、9ヵ月連続のマイナス。前月比では6.4%増加した。

 物件別にみると、売り物件の新規登録件数は14万2,586件(前月比12.5%増)で3ヵ月ぶりの増加。成約報告件数は1万2,510件(前年同月比0.7%減)となり、4ヵ月連続で減少した。総登録件数は38万6,927件(同8.3%増)で、33ヵ月連続の増加だった。
 賃貸物件の新規登録件数は26万5,679件(前月比25.7%増)で3ヵ月ぶりのプラス。成約報告件数は3万3,981件(前年同月比10.2%減)となり11ヵ月連続の減少。総登録件数は39万9,167件(同16.4%減)、57ヵ月連続減少となった。

 売り物件の取引態様別物件数は、新規登録では媒介契約が9万6,254件(前月比9.2%増)。そのうち専属専任媒介は1万5,773件(同11.8%増)、専任媒介が4万4,429件(同10.2%増)、一般媒介3万6,052件(同7.0%増)だった。
 成約報告件数のうち、媒介契約は1万90件(前年同月比3.1%減)。内訳は専属専任媒介が2,564件(同18.4%減)、専任媒介が5,940件(同3.9%増)、一般媒介が1,586件(同2.2%増)となった。